アンティーク コンソールとのご縁
- 2012/11/22(Thu) -
日曜日は冷たい小雨の降る日でしたが、早めに家を出て、毎月開かれている近所の
ブロカントに寄ってから、修行へ向かうことにしました。

とはいえ寒い小雨の日ですから、出店数も少ないだろう、と、思いましたところ矢張り、
いつもは所狭しと並んでいる筈が、ポツン、ポツンと数件出店されているだけで、
ガランとした印象でした。 

そうよね、こんな雨の日に態々、店開きしても品物が濡れてしまうし、屋根がなければ
難しいわよね、お客も少ないし、と、数少ないお店を見て回っていましたところ、背後から
大きな怒鳴り声が聞こえてきて、驚いて振り向くと、何やら出店者とお客の間で口論となって
いる様子、お客は英語で捨て台詞を残し、去って行きました。 
そのお店は商品が濡れないよう、屋根のある狭い場所を利用していました。商品の数は少ない
ですが、私は一瞬で心を奪われてしまいました。何故ならそこには美しいアンティークな
テーブル類が数点置いてあり、いつかご縁があったなら、と、長い事思っておりました、
美しいコンソールテーブルがあったのです!

日本の我が家は玄関に台やテーブルのようなものがなく、スッキリはしていますものの、
お花を飾ったりする事ができず、とても殺風景でした。 日本に居ました時からコンソールを
探していましたが、中々良い縁がなく、そんな中、ベルギー引っ越しが決まりました。
ベルギーといえばアンティークな品が多くありますから、そのうち縁があれば見つかるだろう、
と、思ってアンティークショップへも出かけてみましたが、皆、サイズが大きすぎたり、
価格的に我が家に不相応だったりと、ベルギーに来ても中々見つかりませんでした。
去年、某アンティークショップに置かれていました素敵なコンソールに心惹かれましたが、
英国製の、1760年の、状態の美しい貴重な品とのことで、価格も矢張り素晴らしく
(2000ユーロくらいでしたでしょうか。。。我が家には高価過ぎます)、眺めるだけで
諦めてしまいました。

アルデンヌの森のお城巡りの際にも、↓モダーヴ城に置いてありましたコンソールに一目惚れ
しましたけど、当たり前ですが売り物ではないですし、仮に売られていても庶民には全く
手の届かない品ということを承知しつつ、素敵~!と、目の保養となりました。

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話は小雨の降るブロカントに戻りますが、それまでお客に怒鳴り声をあげていた店主さんは、
私がコンソールに惹かれ、フラフラ~っと近寄って行くと、いきなり大声で

「触らないで下さいよ!傷ついたら困るからね。それと私はフランス語しか話しませんからね!」

と、怒り口調の怖いお顔で私を睨んでいます。

怖いおじさんだなぁと内心思ってドキドキしながらも、
「わかりました。大切な品に触れたりなど致しません。あまり上手ではないですが、フランス語で
話しますね。(^^)」
と、微笑みかけましたら、店主さんは困惑した表情で、それでも聞こえない振りをして、
テーブル類を雨から守ろうと一生懸命拭いたり、下にダンボールを敷いたりし始めました。

「とっても美しいですね。これは。。。どちらの国のものでしょうか?」 と、尋ねましたら

「ドイツ製。私が扱う家具は全てドイツ製アンティークだ。今日は敢えて小ぶりなテーブル類を
数点持って来たけど、ここにあるのは1700年代後半~1800年代前半の品。
祖父がアンティークの店をやっていた流れで私も店を持ち、偶にこうして気まぐれに出店して
いるけど、こうやってブロカントで素人たちに混ざって売っていると、さっきの客のように、
素人と勘違いしていきなり値切りはじめる輩もいるからね。品物の価値を全く知らない輩には
売りたくないんでね。私の言っている事がわかるかい?お嬢ちゃん。」

と、まだお客との口論からのイライラがおさまらない御様子。

「ムッシューの仰っている事、わかります。だって、ここにあるテーブル達、皆素晴らしい
ですもの。状態も美しくて綺麗ですし、大事に扱って来られたのもわかります。他のブロカント
へ出かけますと、雨が降っても雨ざらしで無造作に家具が置いてあったりするのを見ますもの。
それと、私はマダムです。(笑)」

と言うと、

「あ、失礼、マダム。 品物は私の子供のようでね、ちゃんと大事にしてくれる人の所へ
行って欲しいんだ。今日はここへ来るのを止めようと思ったんだよ、この天気、小雨だから
きっと止むだろうなんて思わなければ良かった。可哀相に木は水に弱いんだ。」

と、言いながら丁寧にテーブル類を拭いています。

「長い事、ずっと、まさにこのような感じの美しい品を探していました。あまりにも素敵なので、
立ち止まってしまいました。 だって、どのアンティークショップへ出かけてもこの2年半、
こんなに素敵で、求めていたサイズともピッタリな品、なかったのですもの。」

と、特にこちらの↓コンソールテーブルをうっとり眺めながら言いますと、

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「40。それ以下には下げないよ。」 と、店主さん。

・・・店主さんの言葉に私は驚きのあまり耳を疑いました。フランス語が聞き取れなかった
のかも、勘違いかもと、

「40ユーロ?ですか???」 と、訊ねますと、

「買うのかい、買わないのかい? 雨も強くなって来たし帰ろうと思っているんだが。」 と。

「勿論、買います!お願いします! だって、今までアンティークショップを色々回りましたけど、
このような美しい品が40ユーロなんて驚いてしまって。。。」 と、呆然としていると、

「あなたなら大事にしてくれそうだと思ったから。客が品物を見る姿で大体わかるんだよ。
ところで車はあるのかい? この雨の中持ち歩いちゃこれ(コンソール)が可哀相だ。」

と、店主さんに訊ねられ、ああそうだ!私、修行へ行く途中だった!と、思い出し、すぐに夫に
連絡し、事情を話しましたら車で取りに来てくれることに。

「家がここから近いので夫が車で取りに来てくれます。私はこれから出かける用事があります
ので。素敵な品と出会えてとっても嬉しいです♪ ありがとう、ムッシュー。」 
と、御礼を言いながら40ユーロを渡しました。

もうひとつ、気になる品があったのですが、とても私には分不相応と、夫を待つまでうっとり
眺めていましたところ↓(美しい鍵だけでも欲しいなぁ。。と、思ってしまいました)

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「120。 それ以下には下げないよ。」と、店主さんのひと言に、また吃驚!

「え?!あの、この美しい品が120ユーロですか?1200のお間違いでは???」

と、驚いて訊ねましたところ、

「買うか買わないか、如何する?」と、店主さん。

「勿論買います!ありがとうございます!」 と、大喜びの私。

・・・鍵だけでも美しい、と、思っていた甲板が大理石の素敵なコンソールチェストが
120ユーロだなんて、と、夢のようでした。

そうしているうちに夫が到着し、素敵なコンソール二つを車に乗せました。
乗せる際も店主さんは細心の注意を払い、「大理石は割れやすいから気をつけて!木は絶対
水に濡らさないように!」などなど、店主さんの品物への愛情が最後まで伺えました。

最後の最後にやっと、それまで怒った顔をしていた店主さんが笑顔で

「ありがとう、マダム&ムッシュー」 と、私たち夫婦に握手を求めてくださり、

私も嬉しくなって笑顔で 「ありがとう、ムッシュー。」と言いながら握手の後、
店を後にしました。

こちらが↓ご縁のありましたドイツ製のアンティークコンソールテーブル☆

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こちらが↓コンソールチェスト☆

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チェストの鍵がとても美しくて☆

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猫達も気に入った様子。(^^)

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「またナイトさんに先を越されたわ!」と、ビアンカ姫が慌てて登場。(笑)

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